近似がうまくできること
 定義( \( L_{2}(I) \)内積・ \( L_{2}(I) \)ノルム) \[ (f,g)_{L_{2}(I)} := \int_a^b f(x)\overline{ g(x) } dx \\ \| f \|_{L_{2}(I)} := \sqrt{ \int_a^b |f(x)|^{2} dx } \] \(L^{2}\)ノルムは関数fの大きさを測るイメージ

\(L^{2}\)内積はfとgの角度を測るイメージ
\( (f,g)_{L^{2}(I)} := \int_a^b f(x)\overline{ g(x) } dx = 0 \) のとき、fとgは\(L^{2}\)において直交するという
\( \varphi_{n}(x) := \frac{1}{ \sqrt{2\pi} }e^{inx} \) と定義するとき
\( (\varphi_{m}, \varphi_{n})_{L^{2}(-\pi,\pi)} = \delta(m,n) (m,n \in \mathbb{Z} ) \) となり、関数列\( {f_{n}(x)}^{\infty}_{n=1} \)は\(L^{2}\)で正規直交系をなすという。
注意
たいてい「キレイ」な関数なのでルベーグ積分の値=リーマン積分の値 となり、特別な問題でない限り、今まで通りリーマン積分で計算できる。
正規直交基底と言わず、正規直交系と言ったのは、まだファイたちが基底になるかが現段階ではわからないから。
\[ \varphi_{n}(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{inx} であり\\ c_{n}[f] = \sqrt{2\pi}(f,\varphi_{n})_{L^{2}(-\pi,\pi)}と書けるので、 \\ S[f](x) = \Sigma^{\infty}_{n=-\infty}\sqrt{2\pi}c_{n}[f]\varphi_{n}(X) = \Sigma^{\infty}_{n=-\infty}(f,\varphi_{n})_{L^{2}(-\pi,\pi)}\varphi_{n}(x) \\ この式を見ると、いかにも\varphi_{n}がfの基底になりそうなのが分かる。(将来、定理よりfが区分的にC^{1}で連続なら、S[f](x)=f(x)が証明される) \]
↓はよく使う不等式
補題(コーシー・シュワルツの不等式)
f,g:区分的連続
\[ \begin{align} |(f,g)_{L^{2}(I)}| \leq \| f \|_{L^{2}(I)} \| g \|_{L^{2}(I)} \\\\\ 〜証明の方針〜 \\\ 0 \leq \int_a^b | f(x) + te^{i\alpha}g(x) |^{2} dx \\ を式変形していくと、 \\ tに関する2次方程式となり、判別式を考えて解ける。 \end{align} \] また、この式より \[ \|f + g \|_{L^{2}(I)} \leq \|f \|_{L^{2}(I)} + \|g \|_{L^{2}(I)} \] が導かれる(三角不等式)
fを三角関数系の線型結合で\(L^{2}\)ノルムを使って近似をする際、フーリエ係数が最良になる(\(L^{2}\)最良近似)
任意のN(自然数)と任意の複素数列 \( \{d_{n} \}^{N}_{n=-N} \) に対して、
\[ \begin{eqnarray} \| f - \Sigma^{N}_{n=-N}\sqrt{2\pi}c_{n}[f]\varphi_{n} \|^{2}_{L^{2}(-\pi,\pi)} &\leq \| f - \Sigma^{N}_{n=-N}\sqrt{2\pi}d_{n}[f]\varphi_{n} \|^{2}_{L^{2}(-\pi,\pi)} \\\\ 2\pi\Sigma^{N}_{n=-N} |c_{n}[f]|^{2} &\leq \int_{-\pi}^{\pi} |f(x)|^{2} dx \end{eqnarray} \]
フーリエ級数の定義